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一緒に歩く仲間がいる。自分を受け入れるためのランウェイへ

仮屋浩子 (DAYA演出)

2020年11月27日

 もとはといえば、十年以上も前にコロンビアで観た『パサレラ』のパワーに衝撃を受けたことが全ての発端である。『パサレラ』でのランウェイを歩くというこのシンプルなアクションには、前進してもいいのだ、という安心感がある。一緒に歩く仲間がいるから。これまで発露できなかったことを口にしてもいいのだ、という安心感もある。聴いてくれる人がいるから。
 私の受けた被害は、命が危険にさらされるようなものではない。肉親が誘拐され殺されたり、自分の留守中に家族が皆殺しにあったり、原案者のパトリシア・アリサのように防弾チョッキを身につけて過ごさなければならなかった、そんな時期があったわけでもない。
 しかし、たとえ小さな被害であったとしても、被害者は泣き寝入りし続けなければならないのだろうか?これまで、自分に起こったことを被害として認識できず、隙のあった自分が悪いのだと感じてきた。自分に負い目を感じ、起こったことをなかったことにしてきた。だが、黙ったままでは何も変わらない。
 コロンビアで観た『パサレラ』にも、性暴力に関するエピソードは織り込まれ、それは政情不安から起こる暴力と同じ次元で語られる。彼ら、彼女らはコロンビアに平和な社会を築くためにランウェイを歩く。

自分に起こったことをようやく言葉にできた今、『パサレラ2020』に参加させていただきランウェイを歩くことで、自分を受け入れ、性暴力のない社会への一歩としたい。